「消臭剤って猫には危ないかな?」「家が臭いのって猫もストレス?」
家のニオイが気になるけれど、芳香剤・消臭剤を使うことによる猫への影響を気にされる方もいるかもしれません。
この記事では、猫の診療を得意とする獣医さんに以下の質問にお答えいただきました。
猫にとって危険・ストレスになりやすいニオイはあるのか
ニオイ対策として消臭剤を使う時、気にしたほうが良い点はあるか
上記の質問について獣医さんにインタビューし、お答えいただいた結論は以下のとおりです。
個体差はあるが、猫にとって家が臭いのはストレスの原因になりうる。
アロマや人工的な香り(芳香剤)には特に注意が必要。猫は解毒する力が弱く、香り成分で中毒を引き起こす可能性もある。
この記事を読めばニオイによる猫への悪影響やストレスを回避でき、より猫にとって快適な空間づくりができるようになります。
「ふたぶろぐ」管理者 鈴木ゆゆ
・保護猫2匹+夫と暮らしています。
・結婚を機に夫が連れてきた猫の粗相に悩み、あらゆる消臭剤を20本以上試しまくった消臭剤マニア。
・禁煙の職場で隠れてタバコを吸った人をあぶり出すために、上司にあちこちニオイを嗅がされるほどニオイに敏感な体質。
消臭剤は猫に使えるものなら使ってOK
ペット用消臭剤って、使っても問題ないですか?
先生の病院では使っていますか?
うちの病院では使っていませんね。
でも、使っても良いと思いますよ。
ペット用と書かれていても、香り付きのものって結構あるんですよね。
無香料の方が良いように思うのですがどうでしょうか。
ペットシーツとかも匂いつきの商品はありますが、あまりオススメできないですね。
猫に無害な香りだったとしても、無香料の方が無難だと思います。
「無香料の方が無難」というのは、商品についている香りを猫が好きなのかがわからないからですか?
ほら、猫がカツオ好きだからって、家じゅうがカツオの匂いだったら嬉しいのか?と思うと違うと思いません?(笑)
たしかに(笑)好きな香りだからって快適かは別ですね。
猫に使用してよいと明記されているペット用消臭剤を選ぶようにすれば、消臭剤の使用は危険ではありません。
ただ、消臭剤に限らず猫まわりに使うものは無香料を選ぶことをおすすめします。
理由は大きく分けて2つあります。
①芳香剤などに含まれる香り成分に中毒を起こす可能性がある。
②香り成分にストレスを感じる場合がある
猫に大丈夫な香りを探すというより、猫のいる家では芳香系のアイテムは使わないことをおすすめします。
そもそも香りの出る芳香剤はニオイをごまかすだけで、ニオイの原因物質を消してはくれません。
そのため、最初はニオイが消えたと思っても、時間がたつとぶり返してしまいます。
多少値段が高くても、無香料でニオイの原因を絶ってくれるペット用消臭剤を使うのがベストなのです。
猫も家が臭いのはストレスに感じている
家が臭いととっても不快でストレスなんですが、
猫はどう思っているのかな?って思いまして。
猫も個性がありますから、ニオイを気にするかは個体差が大きいです。
ただ、トイレが臭いのはストレスに感じる子が多いですね。
猫はきれいなトイレじゃないと排泄しないって聞きますもんね。
気を付けた方が良い点ってありますか?
「屋根(フード)つきのトイレのニオイは、人間の仮設トイレと同じレベル」って学生時代に教わったことがあります。
ニオイが充満してしまうのと、落ち着かないんですよね。
実際、屋根つきトイレを嫌がる猫は多いです。
そう言われればそうですね!換気扇もないですしね。
実はうちにも屋根付きトイレあります(汗)
猫が使ってくれなくてお蔵入りにしてましたが、捨てることにします。
「家が臭い」と感じる原因はさまざまで、おもな理由は以下の通りです。
猫由来のニオイ:尿や便のにおい、吐物など
人工的なニオイ:アロマ、芳香剤など
人間由来のニオイ:人間の排泄物や汗、体臭など
環境由来のニオイ:排水溝などの水回りやカビなど
もともと猫は、人間より嗅覚が発達している動物です。
人間が臭いと思うニオイは、猫にとっても大部分がストレス源になる可能性があります。
ただ、人間もニオイに敏感な人もいればそうでもない人がいるように、猫も個体差はあります。
特にストレスになりやすいのは「人工的な香り」
猫にとって、特にストレスになりやすいニオイってありますか?
猫にとって特にストレス源になるニオイは「人工的な香り」です。
最近は、香害って概念も広く知られるようになったと思います。
そうですね。柔軟剤や香水の匂いすごい人いますもんね。
たとえば猫が使うタオルや布製品は、柔軟剤などの香料に気をつけてあげて欲しいですね。
天然成分であったとしても猫が嫌うニオイもありますから、注意したほうが良いです。たとえば、柑橘系のニオイは猫が嫌います。
芳香剤や柔軟剤などの人工的な香りは、猫を飼っているなら特に注意が必要といえます。
人間にとっては良い香りでも、猫にとってはストレスになっているかもしれません。
香り成分は中毒の原因になり危険なこともある
アロマは猫に良くないって聞いたんですが、どうなんですか?
猫はもともと肝臓の解毒機能が弱いので、中毒になりやすいんです。
タバコとか分かりやすい毒物なら避けると思うんですが、アロマに限らず中毒の原因になるものがとても多いんですよ。
解毒できないものが多いので、猫は犬より使える薬もすごく少ないんです。
いい匂いのするスプレーとか好きな人多いですけど、猫にとっては危険なら使わない方がいいですね。
ちなみに動物病院のスタッフは、勤務中ハンドクリームがつけられないんですよ。
ハンドクリーム!確かに手で触りますもんね。そこまで意識してませんでした……。
猫に安全な成分だけを使ったハンドクリームも市販されていますよ。
ニオイは猫にストレスを与えるだけではなく、成分によって中毒を起こす可能性すらあるのです。
人工的なニオイだけではなく、アロマなどの精油にも中毒を起こすものが含まれます。
まとめ:ニオイ対策で、猫も飼い主もしあわせに暮らせる
猫と暮らす家で消臭剤を使うこと自体は、注意点さえ押さえれば問題ありません。
芳香剤など香りつきの商品は避け、無香料で猫に安全なものを選ぶようにしてください。
おうちの消臭対策は飼い主だけではなく猫にとっても、よい効果があります。
嗅覚が敏感な猫は、あらゆるニオイに対してストレスを感じてしまうためです。
注意点として、排泄物などの「悪臭」だけではなく、人間が「良い香り」と思うものも猫には良くないものが多々あります。
特に注意すべき香りは化学的な香りやアロマです。
猫に安全な消臭剤を使うことは、人と猫双方のストレスを軽くし快適に過ごすことに役立つといえます。
この記事が、猫と飼い主がともに快適に暮らすための参考になれば幸いです。
今回インタビューした山本先生は、公式ブログで猫の病気や治療などについて分かりやすく解説されています。
猫のことについて獣医さんからもっと教えて欲しい!という方は、ぜひ公式ブログをチェックしてみてください。
このブログでは消臭剤マニアが実際に使った、猫に安全で本当に効果のある消臭剤を紹介しています。
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